サプリや健康食品で有効成分を摂る
脳の血管が詰まる脳梗塞は、脳卒中の中でも発症率が70%を超える病気です。一度治療をしても後遺症が表れやすく、5年以内の再発率は30%に達するというデータもあります。脳梗塞は再発するたびに症状が重くなるため、たとえ治療が終わったとしても決して甘くみてはいけません。脳梗塞の原因が生活習慣にある場合には、元から改善していく必要があります。とはいえ1日に必要な栄養素を毎日摂ることは簡単ではないので、再発予防のために有効成分を含む健康食品やサプリを摂取するのも方法の1つです。
脳梗塞の再発予防に不足しがちな栄養素を健康食品やサプリメントで“補う”
日本人の3大疾病と言われている脳卒中ですが、具体的な症状や原因について断片的でも「知っている」という人は3割しかいません。
脳の血管が詰まってしまう脳梗塞を予防、改善するために大切なのは“バランスの良い食事”と“適度な運動”です。一昔前と比べ食生活が大きく変わってきた現代では油や塩分の摂りすぎと、野菜類やビタミンの不足によって摂取している栄養バランスに大きな偏りが出てきています。戦後に増えたファーストフード店や24時間営業のコンビニエンスストアなどで、手軽に好きなものが食べられる生活が当たり前になっているのです。
また、働く環境も大きく変わってきており、長い拘束時間のせいで自分の時間を確保することができず、十分な運動と取り入れられていないという側面もあります。ちょっとした工夫で状況を変えられるので、適度な運動とバランスの良い食事を日頃から心がけてみましょう。
適度な運動
身体を動かして血流を良くすることで、血管の内側にある内皮細胞が活性化され、強い血管が作られます。1回30分の運動を毎日続けるのが最も好ましいですが、本格的な運動が難しい人は「1駅分だけ歩いて帰る」「エレベーターではなく階段を使う」といった小さな運動から入るのが長続きするコツです。
バランスのとれた食事
油分や塩分を控え、野菜を中心とした食生活にしましょう。また、「腹八分目」を意識して食事は満腹にならない程度にすることです。調味料は食べる料理に直接かけるのではなく、小皿に入れた調味料に付けるようにすると少量で調整しやすくなります。
食事で効率よく有効成分を摂取するためには、食品の性質を把握する必要があるでしょう。特に積極的に摂取したいビタミンは脂溶性と水溶性の2種類に分けられます。脂溶性ビタミンは体内に貯め込んでおくことができますが、水溶性ビタミンは貯蔵できる日数が短いので不足しないようにこまめな摂取が有効です。しかし、水溶性ビタミンを毎日一定量摂り続けるのは簡単ではありません。足りない栄養分を補う役割として、サプリメントや健康食品を活用するのも1つの有効な手段です。
EPA・DHA(オメガ3脂肪酸)を含むサプリメントを摂る
魚の油である脂肪酸に含まれるのがEPA(エイコサペント酸)という成分で、コレステロールや中性脂肪を減らしてくれる働きを持ちます。そのため動脈硬化の予防に作用するとして、近年注目されている成分です。
同じく、魚の脂肪酸に含まれる成分の中で注目されているのがDHA(ドコサヘキサエン酸)。EPA以上にコレステロールや中性脂肪を減らしてくれる作用をもたらしますが、それ以上に脳の機能改善に効果を発揮するため、ボケを予防してくれる成分としても知られています。
DHAは白身よりも青背の魚や海の表層を回遊する魚に多く含まれており、代表的なのはマグロやブリ、サバ、サンマ、イワシなどです。DHA・EPAを摂取するには、週に4回ほど食事に取り入れなければいけません。日本では以前に比べ魚食がかなり減っているのですが、DHAやEPAが配合されたサプリメントなら容易に摂取できます。
ミネラル(カルシウム・カリウム)を含むサプリメントを摂る
ミネラルの1種であるカルシウムの摂取が不足すると、1番大切な臓器である心臓を動かすために骨からカルシウムが奪われます。すると、血液中にあるカルシウムのバランスがくずれ、血管が詰まる原因である血栓ができやすくなります。血栓は脳梗塞や心筋梗塞の原因にもなる症状で、これらはいきなり発症する可能性の高い病気のため、注意が必要です。
カリウムは、ナトリウム(塩分)と共に心臓の働きを助けてくれる栄養素の1つ。ナトリウムを摂りすぎている日本人は、カリウムとのバランスが取れずに心臓の働きに悪影響を与えてしまうのです。塩分を体外に排泄してくれる働きを持つカリウムとカルシウムのミネラル(微量元素)は、脳梗塞だけでなく心筋梗塞が心配な人にとっても嬉しい栄養素といえます。
酵素(わかなつみの発酵菌)を含むサプリメントを摂る
身体にとってとても大切な栄養素であるビタミン、ミネラルですが、酵素がないと十分な働きをしてくれないことがわかっています。酵素がなければ摂取した栄養を分解・吸収することができません。酵素の種類には以下の3つがあります。
- 消化酵素…体内の食べ物を消化する酵素
- 食物酵素…野菜や豆類、果物、発酵食品などに多く含まれている酵素
- 代謝酵素…元から体内に存在する酵素
消化酵素はそこからさらに「炭水化物・タンパク質・脂肪」を消化・分解する3種類に分けられます。食べ物を消化し栄養を取り込んで、エネルギーとして消費してくれる酵素のおかげで、健康な生活ができていると言っても過言ではありません。
また、酵素のなかでもひと際効果を発揮するのがわかなつみの発酵菌と呼ばれるものです。酵素は熱に弱く、サプリを製法する際に50℃以上の熱を加えるとそのほとんどの効力を失ってしまいます。そこで出てくるのがわかなつみの発酵菌です。熱を一切加えない製法で作られたわかなつみの発酵菌は、酵素の効力をそのまま発揮してくれます。
また、酵素の働きを助けてくれるものとして知っておきたいのが“補酵素”です。酵素をたくさん摂取しても、補酵素が不足していると十分な働きをしてくれない場合があります。水溶性ビタミンの大部分がこの補酵素の成分です。
消化酵素の1つであるタンパク質分解酵素の中には血栓溶解酵素(ナットウキナーゼ)と呼ばれる、血管が詰まる原因である血栓に対して強い効果を示す酵素が存在します。特定的に強い効果を示す酵素ですが、血栓を分解するからといって「摂りすぎると出血したら血が止まらない」ということはありません。
食物繊維を含むサプリメントを摂る
「食物繊維には血管の炎症を抑える効果がある」と最近の研究結果から報告されています。体内で炎症が起こるとタンパク質の1種であるCRPが増加するのですが、このCRPは心筋梗塞や動脈硬化のある種の指標のようなものとして見られます。食物繊維を多く摂取している人は摂らない人に比べてCRP濃度が低いため、心筋梗塞のリスクが低下すると言われているのです。
ほかにも塩分中のナトリウムと結合して体の外への排出を促進し、血中コレステロール値の上昇を抑えてくれる働きも持ちます。コレステロール値が低下することで脳梗塞のリスクを低減させられるので、脳梗塞の予防・再発に十分な期待ができる成分です。
クエン酸を含むサプリメントを摂る
脳の血管が詰まる脳梗塞の原因には、血栓が大きく影響します。血液がサラサラに流れるようになると血栓ができにくくなり、動脈硬化の症状を抑制・緩和することが可能です。血液をサラサラにしてくれる成分はDHAやEPA、血栓溶解酵素(ナットウキナーゼ)のほかにクエン酸など。クエン酸には血液がドロドロになる反応を防ぐ働きがあり、輸血の際に血液が固まってしまうと困る場合の薬剤としても使われます。
クエン酸を含む食品として広く知られているのが、梅干しやレモンといった酸っぱい食べ物です。お酢に含まれる酢酸にも同様の働きがあります。
ビタミンEを含むサプリメントを摂る
米や麦などの胚芽、大豆やゴマなどの種子に多く含まれているのがビタミンEです。油脂に溶ける脂溶性ビタミンのひとつで、抗酸化作用があります。ビタミンEが血液中に存在するLDLコレステロールと結びつくことで、老化のほかに動脈硬化の疾患を予防することが期待されている栄養素です。
ただし米や麦などほとんどの穀類を精製した状態で食べるようになってしまったため、食べ物からは十分なビタミンEが摂取できていません。また昔の日本人は毎日欠かさず食べていた大豆食品も現代ではその摂取量も減っているので、ますますビタミンEは欠乏している状況です。
ビタミンEは摂取した食べ物や油を酸化させない働きを持っているのですが、さらにジャンクフードと呼ばれるスナック菓子、揚げ物などの惣菜、インスタントラーメン、フライドポテトなどを食べるたびに、体内のビタミンEが浪費されてしまいます。食習慣で思い当たるふしがある方は、ビタミンEをサプリメントなどで摂取すべきかもしれません。