麻痺
脳梗塞を発症した後に起こりやすい症状のひとつ、運動機能の麻痺について、起こるメカニズムや症状の特徴、リハビリや回復の過程についてまとめて紹介します。
脳梗塞の後遺症・麻痺はなぜ起こるのか?
脳梗塞は、脳の血管が何らかの原因で詰まってその先への血流が滞り、脳細胞が壊死してしまう疾患です。
脳は体のあらゆる部位の機能を司っていますから、脳が梗塞を起こすということは、その部分が担当していた体の運動機能を失ってしまうことを意味しています。発症した部分がごくわずかであっても、体の機能に何らかの影響が出てしまうことは避けられません。
麻痺は、脳梗塞を発症した後に現れる後遺症の中でも起こりやすいものと言われていて、手足や身体のあらゆる部分の運動機能が奪われてしまいます。
歩行や食事など日常生活に支障をきたしてしまうので、本人や家族に大きな負担となります。
麻痺の種類と症状の特徴について
脳は右と左とがハッキリと分かれているのが特徴。脳と体とは交差してつながっており、右脳が左半身を、左脳が右半身の運動機能をコントロールしています。
ですから、梗塞を起こした部分が右脳であれば左半身に、左脳であれば右半身に集中して麻痺が起こるという特殊な症状が発生しやすくなります。これは半身麻痺や片麻痺と呼ばれるものです。
半身麻痺や片麻痺になると、手や足が動かしにくくなるだけでなく、顔の表情を作りにくくなったり、口を動かしにくいので食事にも工夫が必要となります。
麻痺が起こったら…リハビリと回復のプロセス
脳梗塞の発症後に片麻痺が起こったら、疾患部分の処置が終わり次第、早急にリハビリを開始します。手足を動かさないまま長時間経過すると、関節部分で曲がったままで動かせなくなってしまう、拘縮という状態になることが多いためです。
麻痺の症状は、脳梗塞発症後2〜3ヶ月くらいが最も回復すると言われているので、早期にリハビリを開始していれば、日常生活に支障がなくなるくらいまで回復する可能性が高くなります。
発症から6ヶ月を過ぎるとほぼ回復は見込めなくなるので、そのころまで麻痺が残っている場合は、すべての麻痺がなくなることは難しいとされています。