脳梗塞のリハビリ体験談から学ぶ

リハビリ画像

脳梗塞を発症してしまうと、半身麻痺や言語障害などの後遺症が残りやすく、その後の生活に支障をきたします。その障害をリハビリで乗り越えた経験を持つ方の貴重な体験を5つご紹介。経験者のリハビリ体験を読むことで気付かされることが多々あるはずです。どのように経験をしたのか、どんなリハビリをしたのか、詳しく載せているのでぜひ参考にしてみてください。

脳梗塞のリアルな体験談が教えてくれること

目次

5つの体験談を紹介していますが、皆さんの体験談のなかで一貫しているのは「リハビリの継続」です。基本的に病院のリハビリは期間が決まっているため、期間を過ぎるとリハビリを受けることができません。そのため、民間のリハビリ施設や個人的なトレーニングを行なうことで、後遺症を乗り越えたようです。退院後のリハビリをあきらめずに継続することで、後遺症の症状が改善されていったことがわかります。この5つの体験談を読んで、ご自身リハビリはもちろんのこと、患者を支えるご家族のみなさんの参考になればと思います。

60代・男性・脳梗塞・右半身麻痺
「歩くときの足の引っ掛かりが減りました」

“鍼灸は自分にはいいかなと思います。ちょっとは右足が上がる、ひっかかりがなくなったかな。ここに頼ってる気持ちで毎回リハビリをしています。
家に戻った時は、右足に体重をかけることなどは先生方からも言われていますので、意識するようにしています。家では意識し続けるのはなかなか難しいですけどね。”

引用記述部分

脳梗塞リハビリセンター
http://noureha.com/data/voice/case3/

脳梗塞の後、右半身の麻痺を発症してしまったこの男性。急性期病院に入院した後、ベッドの上で行う運動や歩く練習を1日3時間、4か月間行いました。その後、回復期病院に移り歩行訓練、手を動かす訓練や筋力、言語訓練を2カ月ほど続けたそうですが、順調に回復とはいかなかったようです。そこで良いリハビリ施設がないかとインターネットで調べて、脳梗塞リハビリセンターを知ることになります。

リハビリセンターでは鍼灸と個別サポート

脳梗塞リハビリセンターでこの男性が受けたのは鍼灸と理学療法の両方。鍼灸を受けるまでは歩くときに脚の引っ掛かり多かったようですが、今では引っ掛かることが少なくなったようです。右足が少し上がるといった改善も見られたとのこと。また、利用していたデイサービスとは異なり、リハビリは個別のサポートが付いた状態で2~3時間ほど行ってくれるそうです。リハビリセンターから帰宅した後は、先生からいただいたアドバイスをもとに、右足に体重をかけることを意識して過ごしているのだとか。

鍼灸と体を動かす通常のリハビリを並行して行っているようですね。通常のリハビリで改善するイメージを持っている人はいても、鍼灸で改善するイメージを持つ人は少ないでしょう。鍼灸に懐疑的な考えを持っている人も、リハビリのバリエーションを増やすという考えで、まずは試してみるのもありですね。

80代・女性・脳梗塞・右下肢麻痺
「杖がなくてもトイレまで歩けるようになりました」

“マンツーマンで4つあるトレーニング機械で運動を行いました。スタッフさんが丁寧に付き添ってくれたので、安心してやることができました。”

引用記述部分

脳梗塞リハビリセンター
http://noureha.com/data/voice/case4/

脳梗塞リハビリセンターは民間のリハビリサービスを行なっている施設です。脳梗塞の後遺症で多いのが片麻痺や半身麻痺をはじめとした、運動機能・歩行機能障害。しかし、後遺症を患った方々が十分なリハビリを受けられていないという実態があります。脳梗塞リハビリセンターでは、その後遺症を乗り越えて自分の足で歩く喜びを作り出すというテーマを掲げてサービスを提供しているようです。

トレーニングのようなリハビリ

今回脳梗塞リハビリセンターで女性が行なったのは、7日間連続でリハビリをするプランです。1日に2回の運動があり、午前の10時から11時まではデイサービス「アルクル」でトレーニング機器を使い1時間のトレーニング。午後の14時から16時半までは、リハビリセンターでリハビリを行なうといった生活を1週間続けました。その結果、椅子の立ち上がりもスムーズになり、杖がなくてもトイレまで歩けるように。自由にコンサートへ行くことを目標にし、今後も月に1回は集中的にリハビリを行なうそうです。

病院でリハビリできる期間が限られているのであれば、民間のリハビリサービスも活用するべきだと感じました。また、リハビリにトレーニング機器を使用するということで、これまでのリハビリのイメージが変わりましたね。

60代・女性・脳梗塞・左半身麻痺
「また趣味のゴルフをするために」

“すごいですね。お風呂だけはだめですけど、それ以外はトイレもすべて自分でできるようになりました。自分でなんでもできるようになったのが大きいですね。装具をつけてないでここまでできるのは、思っていたよりも早かったです。”

引用記述部分

脳梗塞リハビリセンター
http://noureha.com/data/voice/case2/

左足に違和感があって娘と一緒に病院へ向かい、脳梗塞と診断された女性。入院した病院のリハビリは午前と午後に1時間、歩く練習やベッドの上で足を上げる動作、自転車こぎをするといった運動をしたそうです。病院ではリハビリを1ヶ月半続けたそうですが、大きな回復は見られませんでした。今以上の回復を目指すために、娘さんがインターネットで調べ脳梗塞リハビリセンターを見つけます。

脳梗塞リハビリセンターでのリハビリ

リハビリセンターでは病院と同じように足を上げる運動や自転車こぎもしたそうですが、病院とは違い動作をサポートしてくれたそうです。また、手を上げて足を伸ばす運動や、大きいボールを飛ばしてみる動作をしているとのこと。リハビリセンターに移るまでは車いす生活で全く歩けない状態だったそうです。外出時は今も車いすを使っているそうですが、室内なら杖を使い歩けるほどに回復。現在は趣味のゴルフができるようになるために、グー・パーを繰り返してクラブが握れるような訓練をしているそうです。

病院で行なうリハビリだけでは、退院までの限られた期間しかリハビリが行えません。そのため、大きな回復をする前に期間が終了することも多いようです。民間のリハビリセンターといった施設を利用し、訓練を続けることで脳梗塞前の生活に近づくことができるでしょう。

50代・男性・脳卒中・右半身麻痺、口の痺れ
「リハビリを続ければまだまだ良くなる可能性がある」

“回復期病院を退院したときは、リハビリはこれでおしまい、あんまりここから先はよくなることはもうあんまりないと思っていました。ですが、たとえ時間はかかるかもしれないですけど、少しずつでも滑らかに動くようになるとか、バランスよく立てるようになるとか、そういうことってまだまだ可能なんだなってことが感じられるようになった”

引用記述部分

脳梗塞リハビリセンター
http://noureha.com/data/voice/case1/

脳卒中で倒れたというこの男性は、回復期病院で歩くことや箸を持つところまで回復したそうです。ですが退院後、日常生活を送るにつれてできないこと見つかっていきました。仕事に復帰してみても同じように、以前できていたことができずにいたそうです。仕事復帰をして3ヵ月が過ぎた頃、もっと改善したいという気持ちが強くなり、この気持ちを知った妻がインターネットで調べて民間のリハビリセンターの存在を知ることになります。

リハビリセンターに通ってからの手ごたえ

リハビリセンターで男性が体験したのはハリやお灸を使ったリハビリ。体験して感じたのは、普段は体がつってしまい眠れないことが多いのにその日はだいぶ楽になったそうです。効果を感じてリハビリを継続すると、デスクワークで固まってしまった筋肉がほぐれてつってしまうことが改善。また、パソコンのタイピングも滑らかに打てるようになってきたそうです。

回復期病院を退院となると、これ以上は良くならないと思っていたというこの男性。退院と聞くと良くなった・治ったからするものだと思ってしまいそうですが、そうでもないようですね。退院後もリハビリを続けることで改善すると分かったからこそ、少しでも前を向いてリハビリに励めるようになったのでしょう。

50代・男性・脳梗塞・運動障害
「リハビリを頑張ったためか「早く回復しましたね」と言われます」

”最初の発語障害、麻痺の状態から、職場復帰は無理ではないかと内心心配していたけれど、本当に早く回復しましたね”と云われます。これが自然経過の結果か、リハビリを頑張ったためか判りません。しかし、自分では、リハビリを頑張ったためだと思いたいのです。

引用記述部分

社会医療法人春回会 長崎北病院
http://www.shunkaikai.jp/kita/cerebral/

医師でありながら脳梗塞で倒れてしまったこの男性は、運動障害が発症しました。入院中のリハビリでは、病院で行なうメニューだけでは足りないと感じ、自分自身でもトレーニングを行なっていたようです。自身で行なった内容はオリジナルのものではなく、病院で習ったものの中から自分でできるものを行なったとのこと。

退院後は病院で教わったメニューを自宅で継続

退院した後もリハビリのメニューは全く変えなかったようです。ただし少しずつ筋力がアップしているため、手首に500グラムのおもりをつけてトレーニングするように工夫していたとのこと。また、距離に関係なく毎日1時間は歩くことを日課とし、リハビリを個人で行なっていたようです。

この男性の言葉に「効率的なリハビリは大切ですが、理屈をこねる前に訓練を始めることが回復への最短距離だと信じている」がありました。効率を考えすぎて動けずにいるより、まずはリハビリを始めてみる。そうすると、効率が悪くても少しずつ回復していきます。効率的な方法が見つかった時、その方法を取り入れながらリハビリを行なっていくほうが良いのかもしれません。
はじめは小さな改善しかなくても、積み重ねることで大きな効果に繋がると考えての発言なのでしょう。考えて動けずにいるのではなく、少しずつでも改善することが後々大きな効果となって自身にかえってくるのでしょうね。

可能性を信じてリハビリを継続、あきらめないことが大切

後遺症を少しでも改善していくためには、諦めずにリハビリを続けることが大切です。それと同時にリハビリを考えるときに知っておくべき3つのことがあります。

麻痺は回復するのか

脳梗塞や脳卒中により、手足が動かない、もしくは動かしづらくなる「麻痺」。麻痺は運動を司る神経がどれだけダメージを受けたかによって程度が変わってきます。回復過程も同じように脳の損傷具合によって変わるため、同じような症状の患者がいても、最終的な改善具合は異なります。

訓練の効果

訓練は治療過程で適切な運動をすることで改善するもの。訓練をしないでこわばることは避けなくてはなりませんが、無理な訓練による間接の痛みもまた避けるべきです。また、重度の脳損傷の場合には訓練を重ねても効果がないことがあるため、訓練による効果には限界があることを理解しておきましょう。

「麻痺に対する訓練」と「残った能力を開発する訓練」

麻痺が改善するのかを見極めることはとても難しい問題です。そのためリハビリで「麻痺に対する訓練」と「残った能力を開発する訓練」を同時に行なっています。同時にリハビリを行なうことで、万が一改善が見込めない場合の対応策を準備するという意義があるのです。

この3つを踏まえた上で、リハビリを機能回復のトレーニングと考え取り組んでいきましょう。またリハビリの継続には身近な家族の協力も必要です。しっかりと継続をすることができれば、社会復帰への道も開けるようになるでしょう。

この記事をつくるのに参考にしたサイト・文献