血液をサラサラにする酵素の効果とその働き

体内にある消化酵素や代謝酵素とはどのような働きを持つのか。また食物酵素を摂取すると、どのような効果が期待できるのか、さまざまな角度からまとめています。

さらに酵素の働きの中でも、とくに血液との関係性について徹底的にリサーチしてみました。酵素はなぜ血液をサラサラにできるのか、詳しく見ていきましょう。

血液の質と酵素の関係

サラサラ血液をつくる酵素

酵素と血液の状態には、密接な関わりがあることが分かっています。なぜなら酵素は血液や細胞の中に存在し、人間が生きるのに必要な働きをサポートしているからです。

消化や代謝機能に大きく関わる

体内のすべての代謝や消化で起こる化学反応。それも酵素がなければはじまりません。酵素は人間の身体の中で非常に大きな役割を果たすもの。身体の全身を巡り、隅々まで栄養分を届ける役割を担う血液の流れにも関わっています。

酸素や栄養分など人間の生命活動に必要な成分を全身に届ける機能や、二酸化炭素や老廃物などを排出する役割も担っている重要な存在です。酵素が不足すると消化や代謝能力が低下して食物を消化・吸収できなくなってしまうほか、身体にさまざまなトラブルを引き起こす原因になります。

ドロドロ血液がもたらすもの

酵素は新陳代謝や抗酸化に関わり、老廃物を流して体内で食物を消化しやすくしてくれます。

しかし酵素が不足すると未消化の糖がそのまま吸収されてしまい、血中に漂い、抗酸化作用が弱まります。これが血液をドロドロにする原因。タンパク質や糖質、脂肪血液中にある赤血球の粘度が高まり、赤血球がお互いにくっついてしまうことで、血液の流れが悪くなるのです。

コレステロールや中性脂肪、ブドウ糖などが増えてしまうと血液がドロドロになり、体温が低下して免疫力が低下してしまいます。血液の流れが滞ると酵素の働き自体も鈍くなり、全身に影響を与えてしまいます。

体内の化学反応に不可欠な酵素

酵素は体の中でさまざまな化学反応を起こし、私たちの生命活動を支えています。酵素は一つひとつが身体に影響を与えるのではなく、特定の物質と結びついたときにはじめて反応するもの。特定の物質を見分けて、認識した酵素に化学反応を起こします。

生命活動のためには何千種という酵素の化学反応が素早く起きなくてはなりません。生体内の化学反応は熱や酸を使わずにごくわずかな条件で反応を起こします。この反応をより素早く効率的に行なうことにも、十分な量の酵素が必要です。酵素はすべてたんぱく質の中にあり、たんぱく質を摂ることで得ることができます。

体の中で酵素が果たす役割とは?

酵素は人間が摂取した栄養分を吸収・分解し、体内で吸収されやすい状態に変えて、老廃物を排泄しやすくする役割を果たしています。酵素がきちんと働かなくなると体の中に老廃物が溜まってしまうのです。

酵素が不足すると栄養をきちんと摂っていても身体に必要な栄養素、タンパク質、糖質、脂肪、ビタミン、ミネラルがきちんと体のすみずみまでいきわたることがないので、きちんとした食生活を送ったとしてもその効果が薄くなってしまいます。十分な栄養と酵素が揃っていることではじめて体内で必要なエネルギーの循環が行なわれるのです。

血流をよくするために欠かせない酵素

血液は質だけでなく量を補うのも大切

血液の流れが良くなると健康的に過ごせると言われていますが、血液の流れを改善するだけでは血流はよくならず、血の量が充分に足りなければ意味がありません。血流とは全身の血管を巡った血液が心臓に戻る一連の流れのこと。

血液が循環することで全身に酸素や栄養を運び、老廃物や二酸化炭素を排出して体の機能と免疫力を維持しています。どんなにサラサラの血液で血流を良くしても、血そのものが不足していてはNG。血液が足りない状態でサラサラに改善しても立ちくらみや貧血を起こしたり、体調を崩したりします。

血流が悪くなる理由を根本から断つ

血流が悪くなる3つの理由を根本から解決しなければ、血流を良くしたとは言い切れません。「血が足りない、つくれない、流れない」体質を漢方の世界では「気虚、血虚、気滞」と表現します。

胃腸が弱く疲れやすい「気虚」、出産や生理などで失う量が多く、血の量が少ない「血虚」、血が滞って巡りの悪い「気滞」。これらの体質から改善しないと、いくらサラサラ血液を手に入れたところで身体の機能が高まったとは言えないもの。

血液の流れを良くするだけでなく、血液の量も補いながら血流機能を整えていくことが重要なのです。健康維持のためにも十分に酵素を摂り、血流が悪くなる体質を根本から改善することをおすすめします。

人間が生きるために欠かせない酵素の働きとは?

酵素は人間が生きるために、必要な生命活動を助けてくれる働きを持っているたんぱく質です。ここでは、働きによって異なる酵素の種類とその役割を紹介していきます。

潜在酵素の種類と役割

人間が一生をかけて体内で作り出すことのできる酵素のことを潜在酵素と言います。近年の研究から、潜在酵素は一人ひとり遺伝子によって決められた量のみしか生み出すことができないことが分かってきました。潜在酵素の持つ働きは大きく代謝酵素と消化酵素の2つに分けられます。それぞれどのような役割を果たすのかを紹介していきましょう。

代謝酵素とは?
腸で吸収された栄養分をエネルギーに変える働きを持っています。代謝酵素が活性化することで血液の流れがスムーズになり、白血球が活性化し、免疫力がアップするという効果も。

また体内で呼吸や解毒のような活動のため体の働きに携わり、エネルギーを生み出します。酵素の生産量は年齢と共に減少していきます。代謝酵素は消化酵素と密接に関わり、消化酵素が使われると代謝酵素も減少。不足してしまうと病気になりやすくなる、老化が進むといった影響を及ぼします。

消化酵素とは?
胃や腸の消化酵素で本格的に分解され体の中に吸収され、食物に含まれる炭水化物、たんぱく質、脂肪がエネルギーに変わりやすいように手助けをする酵素です。毎日補うことで体内の代謝がスムーズに行なわれます。逆に消費されたまま不足してしまうと代謝が悪くなってしまいます

体内の代謝機能が低下したときには消化酵素が使われないようにして代謝酵素を作らなくてはなりません。消化酵素を使わないようにするコツは食べ過ぎないこと。健全な食生活を送ることで酵素不足を防ぐことができます。

食物酵素の種類と役割

体の中で栄養を吸収するときに働く代謝酵素と消化酵素のほかにも、酵素にはもうひとつ種類があります。食物酵素と言われ、食べ物そのものに含まれている酵素です。ここではその働きについて紹介します。

食物酵素とは?
野菜や果物、肉や魚などの食べ物に含まれている酵素です。とくにみそや納豆などの発酵食品に多く含まれています。酵素は熱に弱いことが知られており、加熱してしまうと含まれている酵素のほとんどが失われてしまうそう。食物酵素は加熱せずに生のまま食べると体内に摂り入れることができます。

補酵素とは?
食物酵素と同じく体の外から補うことができる補酵素という酵素があります。補酵素とはビタミン、ミネラルなどのこと。酵素の中には、酵素そのものだけでは働くことができない酵素が存在しています。とくに補酵素の中でもビタミンB1、B2は炭水化物の代謝を助けてくれる働きがあります。

その他には体内でエネルギーの生成をサポートする働きがあることが知られています。補酵素はさまざまな食べ物に含まれており、酵素と一緒に摂り入れることで、より一層体を健康に保つ働きがあると言われています。

潜在酵素と食物酵素の関係

食物酵素は、潜在酵素と違い体の外から摂り入れることのできる酵素です。体内で作られる量があらかじめ決まっている潜在酵素とは違い、食べ物に含まれている食物酵素を取り入れることで、体内で不足した酵素を補うことができます。

食物酵素を摂って身体の中に酵素が十分にある状態になれば、体内での代謝や消化がスムーズに行なわれるようになり、健康な体を保つことに繋がるといえるでしょう。

酵素不足が血液の汚し病を呼び込む

消化酵素で例えて説明しましょう。通常でんぷんは唾液の酵素アミラーゼによって分解されます。数珠つなぎのようになっているブドウ糖の構造は、アミラーゼが消化しやすいように分解してくれます。ここでアミラーゼが不足してしまうと、未消化の糖がそのまま吸収され血液中に。血液をドロドロにして、赤血球どうしをくっつけて血液を汚してしまいます。

酵素が足りないとどんな影響があるの?

酵素が不足して血液が汚れるといつまでも糖が血中に残ってしまうことになり、糖尿病や高コレステロール、中性脂肪の増加など生活習慣病を引き起こしやすくなります。さらに血流が悪くなるため体温が低下し、免疫力を低下させてしまうでしょう。

また酵素には身体に必要のないものを排出する作用を持っています。酵素が不足すると新陳代謝が悪くなり、うまく汗をかけなくなり肌にも影響が。肌荒れを起こしたり吹き出物ができやすくなったりします。また老化を促進させてしまうため、シミやシワの原因にも。血液の流れが滞り代謝が悪くなると酵素の働き自体も鈍くなるので、さらなる全身への影響を及ぼす悪循環が起こってしまうのです。

酵素が不足しないようにこまめに補うことが大切

酵素が不足して免疫力が低下して病気にならないためにも、こまめに酵素を補いましょう。病気や加齢が進むと、自ら酵素をつくり出す力も弱まっていくのがほとんど。また食物から摂れる酵素には限りがあります。

酵素は熱に弱いため、加熱処理された食品をいくら食べたところで補うことは難しいもの。生の食品を毎日口にするのが難しい方や野菜不足気味の方はサプリメントや酵素ドリンクで補うこともひとつの手です。食生活や習慣を見直して酵素不足を解消し、免疫力を向上させて「病気にならない」体づくりを意識してみてはいかがでしょうか。

この記事をつくるのに参考にしたサイト・文献

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