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食事と食習慣を改善して脳梗塞の再発を予防

脳梗塞は脳卒中のおよそ7割を占める疾患で、手足のつっぱりや失語症などの症状を招く病気です。これからの生活に悩む方も多いのではないでしょうか。

脳梗塞は再発しやすい病気で、その再発率は5年で約3割だといわれています。そんななか、再発予防の第一歩として取り組みたいのが食事と食習慣の改善です。ここでは再発予防に役立つ改善方法を詳しくまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。

脳梗塞の再発予防の第一歩はまず「食事と食習慣の改善」から

食事食事と食習慣の改善には、血圧のコントロールに気をつけることがもっとも重要です。脳梗塞は脳の血管がつまる病気なので、高血圧を原因として動脈硬化を招き、進行すると血管が詰まりやすくなってしまいます。こうした状態を防ぐには、血圧を正常値内に抑える必要があるのです。

脳梗塞の再発予防対策として手っ取り早いのが塩分摂取を控えること。だしでしっかり味付けして塩分を調整するなどして、食材そのものを味わうような食事に慣れるとよいでしょう。

また悪玉コレステロールの多い食事や食品の摂り過ぎも要注意。悪玉コレステロールと呼ばれるLDLは、動脈硬化を引き起こすだけでなく脂質や糖と結合して血管をせばめます。その結果、血栓ができやすくなって血管を詰まらせてしまいます。

脳梗塞の再発を予防するためには食物繊維や抗酸化食品を積極的に摂取するとよいと思います。食物繊維はLDLの排出に役立ち、抗酸化食品は急激な血圧上昇を招く活性酸素を除去する作用が確認されているからです。さらに水分不足にも注意が必要。水分を十分に摂らないと、血液中の水分が減って血中濃度が上がってしまい、脳梗塞が起こりやすくなってしまいます。

食習慣を改善することによって、脳梗塞や心筋梗塞のリスクとなる肥満の問題を解決するきっかけにもなります。油の多い惣菜は避け、蒸し焼きで食べられるおかずやおかずにもなるような食物繊維たっぷりのスープをメニューに加えるなど、毎日の食事に工夫をしていきましょう。

塩分コントロール(高血圧対策)

脳梗塞の再発予防には血圧コントロールが不可欠。血圧140/90 mmHgを超えないためにも、食事で塩分摂取を控えるようにしましょう。日本人の1日の塩分摂取量は平均14g。脳梗塞の再発を抑えるには、10g以下に抑えることが理想的です。目標を達成するには、食材にもともと含まれている塩分はもちろんのこと、料理で使用する醤油や食卓でかけるソース、ドレッシングなどにも気をつける必要があります。

レモン・スダチ・カボスなどの酸味やトウガラシ・コショウといった香辛料、昆布やかつお節のだしを活用して、塩味を減らすといいでしょう。食卓の調味料も「かける」より「つける」を意識すると、塩分の摂取量が少なくすみます。

ただし、せっかく薄味につくった料理でも、たくさん食べると塩分もカロリーも多く摂ることに。減塩醤油や減塩みそも使う量が多いと摂取する塩分が増えます。食べすぎや使いすぎには気をつけるようにしましょう。また、塩分は生命維持に欠かせない成分なので、まったく摂らないのは逆効果です。献立にはさまざま味付けを利用して、塩味を効果的に使うといでしょう。

悪玉コレステロール(LDL)を減らし善玉コレステロール(HDL)を増やす

健康な血管を維持して脳梗塞の再発予防を防ぐには、悪玉LDLコレステロールを減らして善玉HDLコレステロールを増やすことが大切です。

LDLを減らすには、豆腐や大豆などの植物性たんぱく質や、海藻・きのこ・豆・根菜といった水溶性食物繊維の摂取がおすすめ。食品がコレステロールを吸着して体内から減らしてくれます。腹八分目を心がけるのもいいでしょう。食事の摂取カロリーが必要以上に多いとコレステロールの合成が促進され、体内にLDLが増えてしまうので注意が必要。

一方、HDLを増やすには、HDLが豊富な不飽和脂肪酸(コメ油・ダイズ油・コーン油・魚油など)や植物油を調理油として使うのがおすすめ。HDLがLDLを回収して、血栓ができるのを防いでくれます。

イワシやサンマ、サバなどの青魚には、血中の中性脂肪濃度を低くして血栓を溶かす役割を持つエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)といった不飽和脂肪酸が豊富です。率先して献立に取り入れるとよいと思います。

カロリーを摂り過ぎない(糖尿病対策)

カロリーを摂りすぎると肥満になり、糖尿病を助長させます。「糖尿病があると脳梗塞の発症リスクが高くなる」という厚生労働省研究班の調査結果も出ています。糖尿病は脳梗塞の再発につながる疾患なので、肥満を解消するのが脳梗塞の再発予防の近道です。

肥満を解消する方法としての基本は、まず食事の総摂取カロリーを抑えるようにすること。お菓子やジュースは糖分が多い食品なので、摂取は極力控えてください。炒め物や揚げ物、マヨネーズやドレッシングといった油分の多い高カロリーな食品も摂りすぎないことが大切です。

さらにコーヒーや紅茶をノンシュガーが無理ならオリゴ糖や蜂蜜で少しだけ甘みをつけてみてください。一度にたくさん食べるまとめ食いや食事を抜く欠食も、代謝サイクルが崩れるため体重管理には向いていません。ドカ喰いではなく、数回に分けて食べるようにしてみてください。

血液サラサラ効果が期待できる食品を摂る

血液サラサラ効果が期待できる食品には、青魚や納豆、玉ねぎがあります。青魚のうちイワシ・サバ・サンマ・アジに多く含まれている飽和脂肪酸(EPA・DHA)が血液をサラサラにしてくれますが、飽和脂肪酸は酸化しやすいという欠点もありますので、青魚を食べるときは、鮮度の落ちているものは避けて新鮮なものを選ぶとよいでしょう。

納豆のネバネバ成分に含まれているナットウキナーゼにも血液をサラサラにする効果があります。ナットウキナーゼの血栓を溶かす力は、薬に匹敵するという報告もあるほど。ただ、ナットウキナーゼは100度以上の熱を加えるとなくなってしまうので、熱々のごはんではなく、少し冷ましてから納豆をかけるようにしてください。

果物や野菜を皮ごと食べる

たくさんの果物の中でも、リンゴやナシに脳梗塞の予防効果が高いという報告がありました。その報告によれば、白色果肉の果物をいちばん多く摂取しているグループは、一度も摂取していないグループよりも脳卒中になった方が52%も少なかったそうです。食べる量は、1日にリンゴもしくはナシの中くらいのサイズのものを半分、なるべく皮ごと食べることをおすすめします。

食物繊維を含んだ野菜も脳梗塞の再発予防になくてはならない食べ物です。食物繊維は、コレステロールや胆汁酸を結合して悪玉コレステロール(LDL)を排出してくれますし、肥満改善にも効果がありるため「ダイエット・ファイバー」と呼ばれているほど。中高年でも食物繊維不足は深刻になってきているので、1日27g以上を目標に摂取するように献立を選んでください。食物繊維が豊富に含まれる豆類や海藻類を摂るのもよいと思います。

抗酸化食品を取り入れる

動脈硬化の原因である活性酸素を除去する「抗酸化食品」は積極的に摂るべき食材です。活性酸素は酸化LDLを作って血管壁を傷つけます。そこにカルシウムの沈着が生じると血管を石灰化させてしまい、動脈硬化を引き起こす原因になってしまいます。

これを防ぐのが、活性酸素の働きを抑制する抗酸化成分が含まれた抗酸化食品です。イチゴやキウイ、トマトなどに多いビタミンCや、大豆・ナッツ類などに豊富なビタミンEが抗酸化成分に当たり、どちらにも細胞の酸化を防ぐ働きがあります。

他にも、赤ワイン・ブルーベリー・リンゴ・ココアなどに多く含まれるポリフェノール、緑茶のカテキン、ピーマン・ニンジン・カボチャといった緑黄色野菜のベータカロチン、トマト・スイカのリコペン、豆類・タマネギ・シソ・緑茶のフラボノイド、ゴマのセサミノール、ニンニク・キャベツなどの含硫化合物、エビ・カニの色素アスタキサンチンなども抗酸化成分です。

【危険!】脳梗塞の再発リスクを高める食習慣

脳梗塞の再発リスクを高める食習慣を知るには、自分の食習慣を振り返ってみることが大切です。

  1. 食事は魚よりも肉料理が多い
  2. 揚げ物を毎日食べる
  3. 野菜を摂らない
  4. 夜食や間食を摂る
  5. 早食いである
  6. ジュースや甘めの缶コーヒーをよく飲む
  7. ケーキやクッキーなど甘いものを好む
  8. 主食+主食(白米+麺など)で食べることが多い
  9. 1日1個以上の卵を食べる
  10. 水をあまり飲まない
  11. お酒が好きで飲みすぎることが多々ある

これらはすべて、脳梗塞の再発リスクを高める食習慣です。まずはいくつ当てはまっているかチェックしてみましょう。

食事制限ではなく、旬の食材の風味を味わう食事に

脳梗塞の再発予防には、投薬治療の継続が基本ですが、さらに上記の食習慣を改めていくことで脳梗塞の再発リスクをより軽減できます。そのためには、血液ドロドロを招く食品ではなく、血液をサラサラにしてくれる青魚や納豆、玉ねぎなどを積極的に摂取しましょう。

ファストフードや酸化した油を摂らず、野菜や果物、抗酸化食品を食べるのも重要です。さらに塩分・コレステロール・糖質などの摂取量を上手にコントロールして、摂取エネルギーを摂りすぎないことも、脳梗塞の再発予防となるはずです。

ただいちばん重要なことは「制限ばかりされておいしくない」と感じないような工夫が必要ということ。旬の食材の甘みやうまみを活かすような調理法で、ソースや調味料に依存しない食生活に徐々に変えていけばよいのではないかと考えます。

 

この記事をつくるのに参考にしたサイト・文献