なぜ日本人に脳梗塞が多いのか

日本人の死亡原因として多く挙げられるのが「脳の血管」の病気です。そして、その大多数が脳梗塞であると言われています。日本人はなぜ脳梗塞に罹りやすいのか?その実態を紐解いていきましょう。

日本人は脳梗塞が多い

[厚生労働省発表によると、脳血管疾患の総患者数は117万9,000人いると言われています。3年前の調査よりも約6万人減少していることになりますが、その患者数は横ばいで日本人の死亡原因の上位にあがっていることには変わりありません。]

ひと昔前までは脳卒中(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血)、になる人と心筋梗塞などの心臓の病気になる人は4:1と圧倒的に脳の病気になる人が多かったのですが、最近では日本人でも心臓の病気になる人が増え、割合が変わってきたとも言われています。 日本人に脳梗塞になる人が多い理由、それは日本人の食文化と深く関わっています。

なぜ日本人に脳梗塞が多いのか?

日本人の食文化は肉食ではなく、主に魚を食す文化です。つまり欧米人よりも魚を食す機会が多いということ。魚にはEPAといった良質な脂肪がたくさん含まれており、これが心臓の病気を防ぐ原因のひとつになったと考えられます。 しかし、魚を中心とした食文化は心臓の病気には光明をもたらしますが、脳にはあまりよくない影響を与えてしまうのです。それは、塩分の取りすぎによる高血圧と低タンパク食による脳へきの脆さ。

日本人は塩つけや味噌、醤油といった塩分過多な食生活を送っています。よく日本食は健康に良い、ヘルシーな食文化だと言われていますが、それは塩分をきちんと控えていたらという話。魚中心の低タンパクな食事は高タンパクな肉中心の食事に比べ、脳へきを脆くしてしまうという欠点があり、その脳へきの脆さによって、脳出血などを引き起こす一因になっていると考えられています。

最近では、塩分を控える食事が定着し、高血圧を防ぐ良い薬も開発されているので、脳出血を引き起こす人の数は減少してきましたが、逆に、脳梗塞を発症してしまう人の数が多くなってしまいました。これはひとえに日本人の食文化が多様化し、食の欧米化が進んだ結果だと言われています。 欧米スタイルの食文化は高タンパク高カロリー。そのため、糖尿病や高コレステロール血症などのいわゆる生活習慣病に陥る人が急増したためです。糖尿病や高コレステロール血症は血管の壁に脂肪が溜まって脳の血管を詰まらせる脳梗塞を引き起こす大きな原因になります。

このように日本人は食文化の観点から常に脳への悪影響を及ぼす生活を送っていると考えられます。脳梗塞は脳の血管が詰まり、詰まった部位への血液循環が滞り大きなダメージを与える疾患。脳は再生力のない臓器なので一度ダメージを受けてしまった部位は元に戻ることはありません。つまり、一度脳梗塞を患ってしまうと高い確率で後遺症が残ってしまうということです。

リハビリなどで多少の機能回復はありますが、それでも発症以前の体に戻ることはできないのです。そうなってしまわないためにも、脳梗塞の原因のひとつとされる生活習慣病予防を心がけていきたいところですね。 塩分の採りすぎは控える、インスタント食品も控える、欧米食に偏った食生活を送らない、メタボリックシンドロームにならないよう適度に運動するといったことが脳梗塞を発症してしまわないためにも重要となってきます。

食生活と生活習慣の見直し。これが健康な体を維持する大きな要と言えるでしょう。

参考:『脳梗塞とはどんな病気?』 Evidenceに基づく日本人脳梗塞患者の医療ガイドライン策定に関する研究班

http://www.seikatsusyukanbyo.com/statistics/2016/009093.php